17歳、男子高校生が自転車に乗って点滅信号のT字型交差点を横断中、直進の普通乗用車が衝突したもので、遷延性意識障害、四肢麻痺で1級1号が認定されています。

本件で最大の争点は、母親の就労と将来介護料についての考え方でした。
裁判では、自宅介護について、母親の就労復職を前提に、職業介護人の導入による将来介護料を請求したのですが、地裁では否定されたので、高裁に控訴したものです。

弁護士の立証

弁護士は、憲法第13条、14条、25条に明示されている女性の働く権利と母親の職場復帰への意欲を主張すると共に、本件における自宅介護の必要性を母親の陳述書と主治医の意見書で立証し、母親の仕事中は、職業介護人を導入することで、それらを実現することができると主張しました。

⇒高裁は、母親の就労と日額1万8000円の職業介護人を認定しました。

結果

母親が67歳までは、(職業介護人日額1万8000円×平日の240日)+(家族介護日額1万円×祝休日の125日)、母親が67歳以降、被害者の余命年数までは、職業介護人日額1万8000円×365日
将来介護料は、1億円が認定されました。

住宅改造費1200万円、車椅子、車両改造費、介護リフト、介護ベッドなどの費用700万円、将来雑費は余命の全期間で月額3万5000円が認定されています。
逸失利益は、男子学歴計全年齢平均賃金を基礎収入に全期間、本人の後遺障害慰謝料3000万円、両親の慰謝料800万円、25%の過失相殺後で2億7600万円の損害賠償が実現しました。

NPOジコイチのコメント

我が子の事故受傷によって、親の人生まですべて諦めなければならないのか?
高裁は、諦める必要はないと判決したのです。