母親の自転車が歩道から車道に出ようとした際、転倒し、幼児用補助椅子に同乗していた1歳の女児とタクシーが接触したもので、頭蓋骨骨折、脳挫傷、四肢麻痺、排泄障害などで1級1号が認定されています。

損保の反論

タクシーと女児の頭部は接触しておらず、頭蓋骨骨折は、自転車からの転倒打撲が原因と思われる。
タクシーに過失はないとして、工学鑑定書を提出して無責であると反論しています。

弁護士の立証

①本件では、頭蓋骨骨折が、タクシーの接触によるものか、それとも転倒による頭部打撲を原因としたものかが、争点となりました。
弁護士は、画像から骨折の形状を分析し、さらに、主治医に協力を求め、意見書により、「頭蓋骨の骨折形態は、自動車の運動によるもので、単に路面で打撲したものではない。」 ことを立証しました。

⇒裁判所は、工学鑑定を却下し、タクシーの過失は60%と認定しました。

②幼児が被害者となったときは、男女平均賃金を採用するという方向性を示し、1歳女児の逸失利益では、賃金センサスから男女平均494万円を基礎収入として計算することを請求しています。

東京・大阪・名古屋地裁の共同提言では、男女間格差の問題は先送りで確定していませんが、弁護士がシッカリ主張して請求することで、男女計の全労働者平均賃金は認められています。

⇒裁判所は、男女計の全労働者平均賃金を基礎収入とすることを認定しています。

結果

将来の介護料では、事故時に両親が共働きをしており、母親が67歳になるまでは週5日の職業介護人日額1万2000円、週2日の家族介護日額8000円、母親が67歳以降は、職業介護人日額1万2000円×365日が認められています。

NPOジコイチのコメント

特筆すべきは、将来予定されている住宅改造費や雑費についても、今は、幼児であるものの、将来、成長することで絶対に必要となることを細かく立証、裁判所は2000万円を認定しています。
総額1億6800万円、40%の過失相殺でも1億0100万円が実現できました。