57歳女性が、自転車で交差点を横断中に、普通貨物車と出合い頭衝突し、遷延意識障害で1級1号が認定されています。

損保の反論

①被害女性の平均余命までの期間の2分の1以下で賠償金を算出すべき?
②将来介護料は、6000円で足りる?
③被害者には、80%の過失が認められる?

担当した弁護士の主張の甘さと立証不足により、1審では、余命7年、家族介護で日額6000円、被害者の過失は80%が認定されていました。

弁護士の立証

①被害者の家族は、新しい弁護士を選任、2審に控訴することになりました。

弁護士は、57歳の被害者の余命を22年として、家族介護料を日額8000円と積算しました。
被害者は、兄夫婦と同居していたのですが、現在、自宅介護に切り替えることを進めており、兄嫁が67歳以降は、職業介護料日額1万6000円を請求しました。

②弁護士は、自宅介護が可能との主治医の意見書、進行中の介護体制については、兄嫁の陳述書を証拠として裁判所に提出しています。

⇒2審は、少なくとも日額1万2000円の介護料が必要と認定し、余命も1審の7年から22年に引き上げられ、その結果、将来介護料だけでいっきに4,500万円アップした。

1審では未請求であった紙おむつ代などの介護雑費も二審では請求しています。

⇒2審では、月額2万5000円、全期間で440万円が認められました。

過失についても、実況見分記録、交通事故現場見取図、加害者の供述調書を読み込み、証人尋問を実施して、矛盾点を追求しています。

⇒2審は、被害者過失を80%から70%に減額しています。

遷延性意識障害者の余命では、損保の理不尽かつ、非人道的な主張に屈することなく、平均余命のフル期間まで、シッカリと立証しなければなりません。

将来雑費なども、必要なものを細かく拾い出して請求することで、大きな金額となります。
大切なことは、裁判では、請求しなければ認められるはずがないことです。
2審から交通事故訴訟に精通した弁護士が担当したことで、1審の1300万円が、2審では、4300万円にアップしています。

NPOジコイチのコメント

さて、判決額を比較しておきます。

  地裁 第一審 高裁 第二審
将来介護料 1300万円 5800万円
逸失利益 1600万円 3400万円
慰謝料 2700万円 3600万円
介護雑費 0円 440万円
その他 700万円 960万円
合計 6300万円 1億4200万円
過失相殺 ▲80% ▲70%
判決額 1300万円 4300万円

高次脳機能障害、遷延性意識障害など重度後遺障害事案では、被害者と、その家族の残りの人生すべてが、訴訟判決によって左右されるのです。
正に、依頼した弁護士の主張の甘さと立証不足は、取り返しのつかない命取りとなるのです。