20歳、男性が自動二輪車で交差点を直進中、側方からの乗用車が衝突したもので、遷延性意識障害で1級1号が認定されました。

損保の反論

遷延性意識障害者では、被害者の年齢が若くても余命は10年が妥当である?

最高裁H6-11-24判決 (交民集27巻6号1553ページ) 遷延性意識障害者の余命について、平均余命よりも短く、症状固定から12年と認定した高裁判決を支持したもの、

上記の最高裁判例で勢いをつけた損保は、遷延性意識障害者に対して、平均余命より少ない年数で、将来の介護費用を押しつけてくるようになりました。
本件においても、余命の10年間に限って将来介護料を認めるとの反論がなされています。

弁護士の立証

①20歳の被害者では、平均余命表を用いれば、50年となります。
弁護士は、主治医からは、余命が短いとは言い切れないとの供述書、専門医からは、現代医学の進歩により、適切な介護を行えば、平均余命をまっとうすることができるとの意見書、本件の自宅介護の実態については家族の陳述書を裁判所に証拠として提出しています。

⇒裁判所は、植物状態=余命が短いとの損保の主張を却下、余命50年を認定しました。

結果

母親に持病があって、十分な介護ができない状況であったので、遷延意識障害者の自宅介護を、職業介護人と家族介護を併用する請求を行い、全余命期間について、(日額1万2000円+交通費1000円)×365日が認められ、総額2億2900万円の賠償が実現しました。

NPOジコイチのコメント

加害者の不法行為で遷延性意識障害となった被害者に対して、「長く生きられない?」 など、とんでもなく非常識なもので、このような損保の主張は、現代医療の進歩とそれに伴う延命の事実を全く無視した理不尽かつ、非人道的なものであり、必ず排除されなければなりません。