24歳、男性会社員が、バイクを運転して交差点を直進中、対向の右折トラックに跳ね飛ばされ死亡しています。1審では加害者の言い分が全面的に採用されたため、遺族側の請求は棄却されました。
損保の反論
赤信号・右折可の青矢印にしたがって右折進行しており、過失は認められない?
弁護士の立証
1審で敗訴した遺族は高裁に控訴し、弁護士は、加害者の供述の不合理な点を1つ1つ指摘するとともに、事故直後、被害者の対面信号が青色であったのを見たとする目撃者を捜し当て、その証言によって加害者の言い分が虚偽であることを立証しています。
⇒その結果、高裁は1審判決を完全に覆し、青信号だったことを認め、被害者側の過失割合を10%と認定しました。
高裁判決により、自賠責保険は無責の判断を取り下げ、損害賠償額1億円を実現しました。
NPOジコイチのコメント
その後、遺族は、民事の高裁判決を添えて、再捜査を願い出ています。
結果、加害者は起訴され、刑事裁判で有罪となりました。
加害者は控訴、最高裁に上告までしたのですが、訴えは退けられ、有罪判決が確定しました。
本件は、民事裁判で敗訴した後も、遺族が決して諦めることなく、目撃者を捜し続けた執念が実を結んだもので、その執念は、加害者の刑罰まで変えてしまったのです。
もちろん、この遺族の執念に寄り添った弁護士の功績を忘れてはなりません。