悲しいことに、ご本人は、すでに亡くなっておられます。
損害賠償などは、よく分からないので、プロの弁護士にお任せしておけばいい?
これが、大方のご遺族の意見ですが、それでは、二次被害も予想されることになります。

1)弁護士に依頼して解決する?

弁護士に委任して解決することを決断されたのであれば、ご遺族の判断に誤りはありません。
損保は、高齢者や子どもの死亡事故では、自賠責保険の範囲内で解決することを目論んでおり、そのために、過失割合は、被害者に不利に常に多目に、主婦の基礎収入は、年齢別平均給与額の適用でごまかし、兼業主婦であれば、有職者として逸失利益を積算するなどの誘導を画策しています。
また、加害者が刑事事件で不起訴処分とされたときは、自賠責保険を超える損害を完全否定します。

これらの不条理に、賠償問題の素人が太刀打ちすることはできません。
どうしても、弁護士に依頼し、ガラス張りの地方裁判所支払基準で損害賠償を目指すことになります。

2)どんな弁護士に委任するのか?

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※過失割合では?

これは、重度脊髄損傷に限ったことではありません。
損保は、被害者の過失について、常に多目に主張しています。

①同時刻に事故現場に立ち、交通量、走行車両速度、交通動態から、供述との整合性を検証する。
②検察庁の刑事記録を緻密に分析し、加害者の供述の不審点を炙り出す。
③刑事記録の実況見分調書、交通事故現場見取図、供述調書などを緻密に精査する。
④目撃者証言が必要なときは、事故現場に立て看板などを設置して目撃者情報を呼びかける。
⑤加害者、目撃者の供述に不審があるときは、両者の証人尋問で供述内容を突き崩す。
⑥加害者側のドライブレコーダーであっても、事故発生の前後を徹底的に分析する。
⑦誘導が明白であるときは、警察に、捜査のやり直しを求める。

※休業損害、逸失利益の基礎収入では?

これも重度脊髄損傷に限ったことではありません。
損保は、被害者の基礎収入は、いつでも低く見積もってきます。

①幼児、生徒、学生、専業主婦は、基礎収入を全年齢平均賃金または学歴別平均賃金を適用する。
②30歳未満の被害者についても、全年齢平均賃金または学歴別平均賃金を適用する。
③義務教育を終えるまでの女子については、男女計の全労働者平均賃金を適用する。
④高齢者の主婦では、家事従事の実態を明らかにして全年齢平均賃金の適用とする。
⑤31歳以上で全年齢平賃を下回るときは、勤務先の給与規定から平賃の蓋然性を探る。

⑥高校生であっても、大卒の学歴別平均賃金が適用できるか、その蓋然性を詳しく調査する。
⑦就職が内定しているときは、職業別賃金センサスの適用も視野に入れる。
⑧自営業者では、顧問の税理士に総勘定元帳の作成を依頼し、現実収入を立証する。
⑨会社経営者では、労働対価の部分と寄与率について、税理士を交え、詳細を検証する。
⑩家族や同業者から、就労の実態を陳述書にまとめ、役員の寄与率、労働対価部分の立証を行う。

⑪素因減額に対しては、専門医の意見書で反論する。
⑫修行期間中で平賃を下回るときは、勤務先の協力を求め、独立後の収入を立証する。
⑬就労復帰がなされていても、就労の実態を明らかにして喪失率に見合う逸失利益を請求する。
⑭人身傷害保険、無保険車傷害保険など自動車保険約款の知識と運用を学習しておく。

※死亡本人の慰謝料、遺族の慰謝料、制裁的慰謝料?

重度後遺障害や死亡事案に特有のものです。

①死亡本人と遺族の慰謝料を分けて請求する。
②加害者に不実や虚偽が認められるときは、制裁的な慰謝料を請求する。

損害賠償請求訴訟で勝訴するには、少なくとも、これらのセンスが必要となります。
経験則と交通事故の知識に乏しい弁護士では、無い物ねだりとなり、満足な結果は得られません。
法律事務所で弁護士と相談されるときは、弁護士に対して、本件死亡事故に該当する項目を質問され、どのような立証をされるのかを含めて、弁護士の力量を確認してください。
委任後であっても、上記のチェック項目を反復して検証され、正しい立証作業が実施されているか、見守りをし続けなければなりません。

不信や不安を感じたときは、NPOジコイチにセカンドオピニオンを求めてください。

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