(1)格付けの意味?

自動車保険の約款について、すべての損保会社の検証を完了しました。
①自動車保険の根幹をなす基本条項、
②賠償保険である対人・対物保険、
③補償保険である車両保険、搭乗者傷害保険、それらに絡む特約においては、従来通りの約款を踏襲しており、損保間で大きな差異は認められません。
しかし、最も先進的な人身傷害保険、賠償保険として絡む無保険車傷害特約、そして弁護士費用特約では、差別化がなされており、A、B、Cの3つに格付けできることが明らかとなりました。

これは、手数料をもらって評価する依頼格付けではなく、一切の手心を加えない勝手格付けです。
勝手格付けではありますが、加入したあなたに支払われる保険金で、A、B、Cと格付けしたところに、大きな意味を有しており、自動車保険選びでは、重要視すべき格付けとなっています。

本格付けの狙いは、B、C評価の損保会社を百叩きするところにはありません。
すべての損保会社が消費者目線に立って、A評価、AAAを目指してくれれば、それで良いのです。
皆様の賢い選択で、それを促進することができれば、私にとっては、望外の喜びです。

(2)格付けの内容

損保の格付けでは、人身傷害保険、無保険車傷害特約、弁護士費用特約の約款を検証し、リスク対応力と支払面の潔さに絞り込んで、以下の3段階で、損保会社の格付けを行いました。

①トリプルA=AAAではないが、A評価の6社
②加入に問題を残すB評価の8社
③絶対に加入してはならないC評価の7社

1)トリプルA、AAAではないが、格付けA 6社

総合評価 A
損保 格付け 総合評価
人身傷害保険 無保険車傷害 弁護士費用特約
損保J日本興亜 Ab Aa B A
セゾン火災 Ab Aa B A
そんぽ24 Ab Ab B A
朝日火災 Ab Ab B A
セコム損保 Ab Ab B A
ソニー損保 Ab Ab a A

なんと言っても、2014-2の最高裁判決を遵守し、加害者の存在する人身傷害保険、そして無保険車傷害特約では、判決や裁判上の和解に応じると約款に明記したところが評価できるのです。

フルカバーを希望されるのであれば、損保ジャパン日本興亜、朝日火災を選択します。
保険料で選択されるなら、ネット系のセゾン火災、そんぽ24、セコム損保、ソニー損保となります。

ソニー損保の日常生活弁護士費用特約をスモールaと評価したのは、石部金吉、杓子定規な運用で弁護士費用の節約に汲々としており、多くの加入被害者、弁護士からクレームが寄せられ、弁護士費用特約としての機能を果たしているかどうかに問題を残していることを理由としています。
比較的には、富裕層を固めているソニー生保の契約支援があり、ソニー損保は黒字化しているのですが、仏作って魂入れずでは、評価は下がります。

さて、上記の6社では、 ①人身傷害保険に交通乗用具特約を復活させること、
②弁護士費用特約に、日常生活弁護士費用特約を追加すること、

たった、この2つを追加するだけで、トリプルA、AAAを達成するのです。
AAAで新契約を伸ばせば、リスクの拡大など、どこ吹く風となります。
真剣な検討をお願いするものです。

2)加入に問題を残す格付けB 7社

総合評価 B
損保 格付け 総合評価
人身傷害保険 無保険車傷害 弁護士費用特約
東京海上日動 Bb Bc B B
日新火災 Ba Ab B B
eデザイン損保 Bb Ab B B
共栄火災 Bb Ab B B
全労済 Ba Ab B B
JA共済 Bb Ab C C

日本で最初に人身傷害保険を開発したリーディングカンパニーの東京海上日動火災が、「人身傷害保険は傷害保険=補償保険である?」 こんなことに拘りを示しているのが不思議でなりません。
2014-2の最高裁判決で、人身傷害保険には風穴が開いたのです。
先の最高裁判決で、宮川裁判官は、「字義どおり解釈して適用すると、保険金を賠償金より先に受領した場合と後に受領した場合とで異なることは不合理である。」と補足意見を述べています。
「訴訟先行のときは、自社の基準で支払う?」
このことを裁判官は不合理と指摘しており、詰まるところは、不当条項になると考えています。
現に、損保ジャパン日本興亜は、後先に関係なく判決や裁判上の和解にはしたがうとしているのです。東京海上日動火災に、これができないなんてことは、考えられません。
最高裁判決を無視する限り、このグループの評価はBとなります。

東京海上日動火災は、加害者の存在する人身事故では、人身傷害保険と無保険車傷害特約が賠償保険になることを認め、2014-2の最高裁判決を遵守することです。
人身傷害保険に交通乗用具特約を復活させ、日常型の弁護士費用特約を追加するなら、AAAです。
火災保険、傷害保険と自動車保険がセットされている東京海上日動火災の超保険では、日常型の弁護士費用特約が用意されており、できないことではありません。

eデザイン損保、共栄火災、沖縄で有名な大同火災も、2014-2の最高裁判決を遵守すること、人身傷害保険に交通上用具特約を復活させ、日常型の弁護士費用特約を追加するなら、AAAです。

日新火災、全労済は、人身傷害保険に交通乗用具特約を復活させています。
2014-2の最高裁判決を遵守し、日常型の弁護士費用特約を追加するなら、AAAです。

あいおいニッセイ同和損保は、人身傷害保険に交通乗用具特約があり、弁護士費用特約にも日常型を用意しています。
2014-2の最高裁判決を遵守すれば、AAAとなりますが、格付けCの三井住友海上火災と同じグループであり、今後の変化に注意しておかなければなりません。

いずれにしても、格付けBである限り、新規契約の対象ではありません。
既存の契約者は、格付けAに乗り換えるべきです。

3)絶対に加入してはならない格付けC 8社

格付けCは、ゾンビ損保です。

総合評価 C
損保 格付け 総合評価
人身傷害保険 無保険車傷害 弁護士費用特約
三井住友海上 Ca Cc C C
三井ダイレクト Cb Cc B C
AIU損保 Cb Cc A C
富士火災 Ca Cc C C
アクサ損保 Cb Cc C C
チューリッヒ損保 Cb Cc B C
SBI損保 Cb Cc B C
 
あいおいニッセイ Ba B A B
大同火災 Bb Bb B B

例えば、人身傷害保険は損保ジャパン日本興亜、交通乗用具特約は日新火災、そして弁護士費用特約はあいおいニッセイ同和損保とチョイスできるなら、AAAの自動車保険を選択したことになります。
ところが、自動車保険は包括契約であり、トッピングは許されていないのです。

しかも、ここで取り上げている約款は、保険契約者であるあなたに支払われるものです。

Q あなたが通勤途上で、自宅から最寄りの駅までを歩行中、無保険、センターラインオーバーの相手車の衝突を受け、中心性頚髄損傷で入院したとします。

①格付けAの損保であれば、人身傷害保険が適用され、当面の治療費、休業損害、入院雑費などが負担され、障害等級が確定すれば、弁護士費用特約を適用して、損害賠償請求訴訟を提起します。
判決または裁判上の和解で損害賠償額が決まったときは、その判決額が、人身傷害保険+無保険車傷害特約で支払われるのです。

②これが、格付けBの東京海上日動火災であれば、弁護士費用特約の適用までは同じですが、判決または裁判上の和解で損害賠償額が決まっても、自社の人身傷害保険の支払基準で支払うとゴネルことが予想されるのです。

③さらに、格付けCとなると、人身傷害保険は、あなたの過失割合分のみの支払いとなり、相手のセンターラインオーバーでは、0:100ですから、当面の治療費、休業損害などの支払いは、120万円の自賠責保険の範囲内でしか実行されないのです。

三井住友海上火災、富士火災、アクサ損害では、弁護士費用特約が労災免責ですから、相手を訴えるにしても弁護士費用の負担がなされません。

やっとの思いで、判決または裁判上の和解で損害賠償額が決まっても、支払いとなると、とりあえず、当社と協議しましょう?
協議、調停でも納得できないなら、当社と裁判しましょう?
やたらに面倒で、もう、お話にならないのです。

②③では、弁護士に依頼したとしても、交通事故解決の経験則が豊富で、自動車保険の約款に対する深い知識がなければ、アッケラカンとしてやられるのです。

JA共済は、気がついていないのか、2014-2の最高裁判決に伴う約款改訂をしておらず、弁護士費用特約に至っては、契約車に搭乗中のみ担保としているところから、格付けはCとしました。
JA共済は、もう自動車保険などの金融事業からはからは撤退すべきなのです。

ほぼ同額の保険料を負担して、安心していても、いざ、交通事故が発生すると、損保会社によっては、対応がマチマチ、払う、払わないで、結果は、月とスッポンです。

分かりやすく言えば、月は、格付けAの6社、スッポンは、格付けBの7社、スッポンを通り越して獰猛な噛みつき亀となっているのが、格付けCのゾンビ8社なのです。
損保の自由化により、既に、そんな時代に突入しています。
以上から、格付けCは、絶対に加入してはならない損保となります。

賢明な消費者は、当然のことながら、格付けAを選択します。

それなら次回の更改で、格付けAに乗り替えよう?
そんな悠長なことを考えているあなたに、実は、事故は忍び寄って来るのです。
中途解約、再加入では、若干の出費を伴いますが、急激・偶然・外来の事故を想定するなら、そのような些末なことには構っていられないのです。
賢者の選択を急がなければなりません。